シュークリームとは?~意外と知らないシュークリームの歴史と膨らむ理由~

今回は、みんな大好きのシュークリームのお話です。
たっぷりのカスタードクリームを、フワッとしたシュー皮が包み込んで、かぶりついた瞬間に幸せが訪れる洋菓子のワンピース(秘宝)です。
シュークリームが売ってないお店はケーキ屋と言ってはダメだと思っています
(ウソですよ🤥)
でも、そんなシュークリームがいつできた?なんで膨らんでるの?などなど意外と知らないことも多いと思います。
だもんで、今回の記事は
- シュークリームって何?
- シュークリームはいつ生まれたの?
- シュークリームは何で膨らむの?
- いろんなシュークリーム
などなどを知りたい方に読んでもらいたい記事です。
シューのことを知って、より美味しく食べてください^^
ちなみに、
シュークリームとは?
シュークリームとは、ふんわり膨らんだシュー生地にクリームを詰めた洋菓子です。
シュークリームという名前は、シュー(キャベツ:フランス語)+クリーム(英語)を組み合わせた日本語(和製語)ですので、本場フランスでは通じません。
フランスでは、シュー・ア・ラ・クレーム(chou à la crème)と呼び、エクレアやパリブレストなど、シュー生地をベースにしてお菓子の幅はどんどん広がりました。
シュークリームはいつ生まれたの?
シュークリームの生まれたルーツを紹介していきます。
シュークリームが生まれた3つの説
シュークリームが生まれたルーツは3つあり、どれがホントかはハッキリしていません。
- マッシュポテトに卵を加えたところから発展
- 小麦粉をバターで炒める調理法から発展
- カスタードクリームの作り方から発展
の3つのどれかではないか?と言われています。
ルーツはハッキリしていませんが・・・
オーブンがなかった時代に生まれたため、最初のシューは油で揚げた「揚げシュー」(ベニエ・スフレ)だったことはわかっているようです。
シューが完成したのはいつ?
シューがいつできたのかも、いろんな記述があるそうです。
一般的に有力なのが、1533年にイタリアからフランス王家に嫁いだ「カトリーヌ・ド・メディシス」の料理人がシューの元となった菓子をつくったといわれている話。
その後、1760年にフランスの「ジャン・アヴィス」により現在のシュークリームが完成したといわれています。
日本へはいつ来たの?
シュークリームが日本に伝わったのは、江戸時代の終わり(1853年~1868年)ごろ。
横浜の西洋菓子店を開いた、フランス人の「サミュエル・ピエール」によって伝わりました。
その後、明治29年(1896年)頃、米津風月堂でシュークリームやエクレアが売られるようになりました。
一般家庭に広まるのはもっと後、冷蔵庫が家庭に普及した昭和30年(1955年)以降のようですね。
シュークリームは何で膨らむの?
シュー生地が膨らむのは、生地に含まれる水分が、オーブンの熱で水蒸気になりゴム風船のようにプクーっと膨らんだからです。
水蒸気が抜けきった後、しぼまないように更に焼いて固まったら、お店で見るシュークリームの皮が出来上がります。
ただし、シューがキレイにできるかは材料をしっかり、はたらかせなければなりません。
材料のはたらき
- バター(油):生地を柔らかくして、水蒸気で膨らみやすくする
- 小麦粉+水:グルテンを作り、生地が伸びやすくして膨らんだままにする
- 卵:油と水をむずびつけて生地を安定させ、熱で固まる
シュー生地がキレイに膨らむのは、材料たちが支え合ってくれるからというわけです。
いろんなシュークリーム
シュークリームは、ジャン・アヴィスさんによって生み出され、現在までいろんな進化をしています。
そんな、シュークリームがもとになって生まれたお菓子を紹介します。
エクレア(エクレール)
エクレアは、シュー生地を細長く焼き、クリームを入れてチョコやフォンダンをかけたお菓子です。
フランス語で「稲妻」という意味で、名前の由来には3つの説があります。
- 稲妻のように早く食べないとクリームがはみ出てしまうから
- 生地を焼いたときのヒビが稲妻に見えるから
- 表面に塗った、フォンダンやチョコが稲妻のように光るから
エクレアは、シュークリームの生みの親ジャン・アヴィスさんの弟子「アントナン・カレーム」さんによって生み出されたお菓子。
アントナン・カレームさんとは?
- ロシア皇帝アレクサンドル1世
- オーストリア皇帝フランツ1世
- イギリス皇太子
の料理長を歴任する天才料理・パティシエです。
数々の本も残している19世紀近代料理最高の巨匠と言われている凄すぎる方。
パリブレスト
パリブレストは、リング状に絞ったシュー生地を真横にカットして間に、クリームをサンドしたお菓子です。
名前の由来は、2つあり
- 1891年に開催された、パリ~ブレスト(都市の名前)間の自転車レースを記念して作られた
- 1909年に、パリ~ブレスト間を開通した鉄道を記念して作られた
どちらも車輪がモデルになっているのは同じなようです。
一般的には①の説が有力で、コースの近くにあった菓子店「メゾン・ラフィット」のルイ・デュランさんが作ったとされています。
ルリジューズ
ルリジューズは、大小ふたつのシュークリームを重ねて、上下のシューをつなぐようにバタークリームをデコレーションしたお菓子です。
フランス語で「修道女」(シスター)という意味で、見た目が修道女のように見えたため、この名前がつきました。
1856年にパリのフラスカティさんが作ったという説が有力です。
ペ・ド・ノンヌ
ペ・ド・ノンヌは、シュー生地を小さく揚げて、砂糖をまぶしたお菓子です。
ペ・ド・ノンヌは、「尼(修道女)さんのおなら」という意味で生まれたキッカケが名前の由来となってしまいました。
ペ・ド・ノンヌの名前の由来
- シュー生地を作る尼さん
- おならをする
- 恥ずかしい(ポッ)
- うっかり油にシューを落とす
- ペ・ド・ノンヌ誕生
プロフィトロール
プロフィトロールは、プリシューにクリームやアイスをつめて、チョコレートソースなどをかけたお菓子です。
プロフィトロールは、フランス語で「プロフィ(利益)を生む生地」を意味します。
同じように、プチシューを積み上げキャラメルで固めた、クロカンブッシュというお菓子も子孫繁栄や五穀豊穣などの願いがこもった縁起の良いお菓子です。
ひとこと
今回は、シュークリームのお話しでした。
紹介できなかったシュー生地ベースのお菓子もまだありますし、なじみ深いクッキーシューやパイシューもあり、まだまだ進化を続けるシュークリームです。
僕らが、老人になるころには○○シューが流行ってるよね!なんて知らない言葉がでる日も来るかもしれません。
今後も楽しみですね。