お菓子作りに欠かせない「小麦粉」、調べ始めると奥深い小麦粉の世界。
小麦粉の中でも「薄力粉」や「強力粉」は身近です。でも、その違いといわれると分からない方もいると思うので、そこから解説していきます。
小麦粉は「種類」と「等級」で分類される
小麦粉は「種類」と「等級」で分類されます。
種類は薄力粉や強力粉、等級は1等粉~末子です。ここを解説。
小麦粉の種類
小麦粉の種類って何が違う?
薄力粉と強力粉などの小麦粉の種類は、
小麦粉に含まれる「たんぱく質」の量でわけられます。
強力粉の方がたんぱく質が多く、薄力粉の方がたんぱく質が少ない。
たんぱく質はお菓子やパンで重要な役割を持つグルテンを作ってくれます
たんぱく質が多いとグルテンが多くなり、たんぱく質が少ないとグルテンはできにくくなります。
4種類の小麦粉
小麦粉はたんぱく質の多さで4種類に分類されます。
強力粉
粒子が荒くサラサラしている。たんぱく質量が多いのでグルテンができやすく、できたグルテンの弾力が強く、よく伸びる
薄く均一に散りやすいので打ち粉に適する。また粘りがある、薄くよく伸びるといった性質の生地を作る場合い使用する。
準強力粉
強力粉と中力粉の中間の性質。
中力粉
強力粉と薄力粉の中間の性質。
薄力粉
粒子が細かいので手で握ると固まる。たんぱく質質量がすくないためグルテンができにくく、グルテンの性質も弱い
日本の小麦粉一覧表
薄力粉 | 中力粉 | 純強力粉 | 強力粉 | |
たんぱく質の量 | 6.5~9% | 7.5~10.5% | 10.5~12.5% | 11.5%~13% |
グルテンの量と質 | 少なく、弱い | ←ーーーーー | ーーーーー→ | 多く、強い |
粒子の大きさ | 細かい | ←ーーーーー | ーーーーー→ | やや粗い |
色合い | 白く見える | ←ーーーーー | ーーーーー→ | くすんで見える |
お菓子作りとたんぱく質の関係
たんぱく質から作られる、グルテンでお菓子の触感は大きく影響します。
薄力粉で作るお菓子はグルテンが少ないので、軽い口当たりになります。
逆に、強力粉で作るお菓子はグルテンが多いので、歯ごたえが強くなります。
日本の小麦粉の等級
小麦粉の等級は「灰分」で分類されています。
「灰分」とは、小麦粉中の無機物(ミネラル)のことです。
等級表
灰分 | 主な用途 | |
特等粉 | 0.3~0.35% | 高級なケーキ、パン、カステラなど |
1等粉 | 0.35~0.45% | ケーキ、パン、まんじゅうなど |
2等粉 | 0.45~0.65% | 一般菓子、菓子パン |
3等粉 | 0.7~1% | 駄菓子、焼き麩 |
末子(すえこ) | 1.2~2% | 接着のり |
あくまで、一部の使用例なので全てが表のような使い方ではありません
お菓子作りと灰分の関係
灰分が多いと、小麦粉自体の色がくすんで黄色みやベージュ色を帯びてきます。
お菓子への影響は風味です。、焼きこむことで風味がでるので焼き菓子と関係が強いです。
灰分が高いデメリットとしては、独特の臭みや、くちどけが悪くなる欠点もあります。
お菓子作りでわかる小麦粉の特性
あくまで一つの目安ですが、小麦粉の特性を示した表です
作る工程から見た小麦粉の特性
薄力粉 | 強力粉 | |
グルテンの形成 | 少なくなる、弱くなる | 多くなる、強くなる |
生地の伸展性 | のびにくくなる | よくなる |
伸ばした後の縮み | あまり縮まない | 縮みやすい |
生地の弾力 | 弱い | 強い |
生地の流動性 | ゆるく、粘性が少ない | かたく、粘性が増す |
焼いた後の生地から見た小麦粉の特性
薄力粉 | 強力粉 | |
生地の膨らみ | 膨らみやすい | 膨らみにくい |
かたさ | 柔らかくなる | 硬くなる |
しっとり感 | しっとりする | しっとりしなくなる |
舌触り | なめらか | ざらつく |
くちどけ | 良くなる | あまりよくなくなる |
気泡の大きさ | 小さくなる | 大きくなる |
生地の沈み | 大きい | 小さい |
風味や香り | 弱い | 強い |
ひとこと
小麦粉の基礎的な知識でした。
読んでもなかなか理解するのがムズカシイところもあると思います。
小麦粉は使いながら理解するのが大切ですね。
小麦粉の使い方に関しては、またの機会に^^
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。