お菓子の豆知識

パティシエさんのたまごの基本

タイゾー

お菓子作りで重要な「卵」。

サイズや殻の色、卵の性質を書いていきます。特に卵の性質はうまく使うことで、美味しいケーキが創れるかどうかに直結します。

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卵の知識

卵の殻の色

卵の殻の色は赤たまごと白たまごがあり、赤たまごの方が価格が高い傾向があります。

基本的に殻の色で栄養価に差はなく、殻の色は鶏の種類で決まります。

・「ジュリア」「ジュリアライト」

白たまごを産む代表的な鶏の品種です。日本では最も有名な品種です。

・「ボリスブラウン」

赤たまごを産むアメリカ産の鶏。日本では赤たまごを産む品種として有名。

パティシエちゃん
パティシエちゃん
お菓子屋さんでは色はあんまり気にしないね。味重視

赤たまごのほうが高いのはなぜ?

栄養価は変わらないのに、赤たまごの方が高いのはなぜ?

理由は2つ、えさの量が多いこと、高級なイメージという思い込みです。

  • 赤たまごを産む鶏のエサを食べる量が多い。卵産むのにエサ代が高くなったら、原価も高くなるのは当然ですね。最近は品種改良され、その差も少なくなってきました。
  • 高級なイメージという思い込み。昔は白たまごのほうが圧倒的に市場で流通していたので希少性がありました。今はそんなことはないので、昔のイメージが抜けていないだけですね。
パティシエちゃん
パティシエちゃん
実際に価格が高いのはエサの量や質が高いから、色で区別されてるわけじゃないんだ

エサで卵の味は変わる

パティシエちゃんの解説の通り、実際価格の高い卵はあります。それは生産者の方が鶏に質のいいエサを与えて、美味しい卵を産んでもらえるように努力しているからですね。

ハーブを食べさせている鶏のたまごやお米を食べさせている鶏のたまごなど生産者さんの工夫や努力で美味しい卵は産まれています。

パティシエちゃん
パティシエちゃん
エサの色で卵の殻が変わるように、卵黄の色も変わるよ。お米の卵は卵黄が白っぽくなるんだ

育て方で卵の味は変わる

鶏の育て方は、ケージ飼いと平飼いがあります。

一般的に出回っている卵はほぼケージ飼いです。平飼い卵はブランド化している生産者が多いのでパッケージに「平飼い」と書かれています。それだけ、手間がかかるということですね。

  • ケージ飼いとは・・・狭い檻に鶏を並べて飼い、卵を産むために管理されています。生産者が管理しやすいので、安価なたまごを提供できます。
  • 平飼いとは・・・広い鶏舎で飼い、運動もできるため健康的な良質なたまごが産まれます。価格が高いのが欠点。
パティシエちゃん
パティシエちゃん
卵にこだわるケーキ屋さんだと「平飼い卵使用」と言っているお店もあるね

有精卵と無精卵

有精卵は受精した卵、無精卵は受精していない卵。一般に出回っている卵は無精卵が多いです。

有精卵も生産にはコストがかかるので、卵の価格も上がります。ですが、成分的に大きな違いはなく栄養価は変わりありません。味は濃厚で美味しい印象があるようです。

パティシエちゃん
パティシエちゃん
ほとんどのお菓子屋さんは無精卵の卵しか使わないね。

卵のサイズと割合

卵のサイズは6種類。

サイズ 重さ
SS 40g以上46g未満
S 46g以上52g未満
MS 52g以上58g未満
M 58g以上64g未満
L 64g以上70g未満
LL 70g以上76g未満

お菓子の本では卵のサイズだけ載っているものもありますので参考までに。

重さの目安はMサイズを基準とするものが多いので、覚えると便利です。

1個60g=殻10g+全卵50g(卵黄20g+卵白30g)
パティシエちゃん
パティシエちゃん
卵黄は20g!コレは覚えといてね
パティシエちゃん
パティシエちゃん
あとね、卵のサイズは鶏の年齢でかわるよ。年を取るほど大きい卵を産むんだ

卵の性質と働き

卵には3つの重要な性質があり、お菓子はその性質を利用して作ります。

凝固性:プリンを固める力

凝固性は加熱すると固まる性質のこと。プリンやカスタードクリームが固まるのは凝固性のおかげ。

  • 卵白:60度をこえると半熟状態。75~80度で凝固。
  • 卵黄:65度くらいで凝固しはじめ、70度で凝固
パティシエちゃん
パティシエちゃん
砂糖をいれると凝固しにくくなる。砂糖にはたんぱく質の変性を抑える力がからだね。

起泡性:スポンジをふわっふわにする力

起泡性とは泡立てる力、空気を抱き込んで気泡を作る性質のこと。スポンジやメレンゲがふわっふわになるのはこの力のおかげ。

  • 卵白:卵の起泡性はほぼ卵白の働き。泡立てて空気に触れた卵白はたんぱく質が膜状に固まって泡が安定する。
パティシエちゃん
パティシエちゃん
新鮮な卵白や低温のたまごは泡立ちにくいんだ
  • 卵黄:油脂を含むので卵白ほど泡立たない
パティシエちゃん
パティシエちゃん
油脂には気泡を壊す性質があるから、あまり泡立たないんだ

乳化性:パウンドケーキをまとめる力

乳化とは:水と油がよく混ざりあった状態です。

卵の乳化性は卵黄に含まれる「レシチン」が生み出してくれます。パウンドケーキのバターと卵が(油と水)が分離しないのは卵黄のおかげです。

パティシエちゃん
パティシエちゃん
お菓子で卵黄を入れるときは一回でいれるけど、全卵の時には数回に分けて入れる。全卵の時は卵白がある分レシチンの力が薄まるからちょっとずつ分けてるんだ

加工卵

加工卵には、乾燥卵、凍結卵があります。

乾燥卵

卵を乾燥させたもので、常温保存可能。輸送や貯蔵に便利で大量生産時に使われる。

パティシエちゃん
パティシエちゃん
お菓子屋さんだと、メレンゲの安定性強化に乾燥卵白を使うことが多いね

凍結卵

卵を熱殺菌(凝固しない温度で)して凍結させたもの。殺菌してあるので、工場など衛生管理がかなり楽。解凍後は翌日中に使い切る必要はある。

  • 冷凍全卵:卵白と卵黄を均質化して冷凍したもの。
  • 冷凍卵黄:20%加糖されてるものが一般的。(卵黄は冷凍するとゼリー状になり戻らないため)栄養価、凝固力、乳化力などは保持されている
  • 冷凍卵白:解凍後はコシがきれてるので泡立ちやすいが安定性は悪くなる。改良された泡立て専用卵白もある。
パティシエちゃん
パティシエちゃん
家庭で使う量ではないけど、欲しければ製菓材料屋さんにはあるよ

最後に卵黄を扱うときの超注意点

カスタードクリームやアングレーズソースを作る時、

卵黄に砂糖を入れたらすぐに混ぜること

卵黄の水分を砂糖が吸ってしまい卵黄の状態が戻らなくなります。

砂糖を入れた直後に、呼ばれたりしても砂糖が溶けるまで混ぜてから用を済ませてください。

パティシエちゃん
パティシエちゃん
コレを現場でやったら許さないぞ♡

ひとこと

卵はお菓子の味の決め手になるので超重要です。

プリンやカスタードクリームなどは卵の味がでるので特に重要ですね。

価格が高いたまごは美味しいですが、必ずしもお菓子に合うかはわかりません。卵かけご飯に向いてる卵もあるでしょう。

価格と性質見て自分のお菓子にあったものを選んでいくもの面白いと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました^^

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ABOUT ME
タイゾー
キャリア約10年の元パティシエ兼個人投資家です。美味しいもの食べて、お金にこまらない生活をめざして活動中。ぼくの情報でみなさんの幸せを少しでも役たてたらうれしいです。製菓衛生師、ファイナンシャルプランナー3級
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